2003年05月29日

「私=うなぎ」ではありません。

先週話したように、日本語の「主語」と呼ばれるものは実は「話題」であり、また「です」という動詞は英語の「is/am/are/be」ほど厳密な同等関係を表さないので、日本人は下記のような問題が非常に多いです。


  1. 「私は正直だ」「I am honesty」×(人間が消えて、抽象概念になったか?)
  2. 「私は小柄だ」「I am small build」×、(えっ?)
  3. 「私は足が短いです」を「I am small legs」×(胴体のない足・奇妙!)
  4. 「(私が)高校だったころ」「When I was high school」×(建物か?)
  5. 「日本経済は不景気だ」「The Japanese economy is depression」×(日本が消えた?)
  6. 「私の学校は共学だ」「My school is coeducation」×(学校が消えた?)
  7. 「日本は安全だ」「Japan is safety」×(日本が消えた?!)
  8. 「来年は退職だ」「I will be retirement, next year」× (自分が消える?)
  9. 「(私が)癌になったら」「When I become cancer」×(人間が細胞の塊に?!)
しかし、間違いだということが分かっても、どのように訂正すればよいでしょうか? 1)前回話したように、一つの修正方法は日本語の文章で省略されている主語を復活させることです。例えば、「私はうなぎです」は「私の注文がうなぎです」という文章の略でありますから、I am an eelをMy order is eelと訂正することがでけいます。しかし、このような方法で直せる文章が少ないです。「My legs are small legs」△? 2)そもそも問題が生じるのは主語と述語の不同等ですので、名詞=名詞ではなく、名詞は形容詞だとすればいいのです。このようにすれば、上述の1,5,6,7を下記のように訂正できます。 「私は正直だ」→「I am honest」○ 「日本経済は不景気だ」→「The Japanese economy is depressed」△ 「私の学校は共学だ」→「My school is coeducational」○ 「日本は安全だ」「Japan is safe」○ 3)同様に述語を動詞にすれば、解決できます。「来年は退職だ」→「私は退職します」→「I will retire」○ 4)主語と述語の関係が全体と部分という関係であれば、全体(主語)は部分(述語)を持っている「A has B」というふうに修正できます。例えば上述の2,3,9を下記のように修正できます。 「私は小柄だ」→「私は小柄(な体)があります」「I have a small build」○ 「私は足が短いです」→「私は短い足があります」→「I have small legs」○ 「(私が)癌になったら」→「私が癌を持つようになったら(?)}→「When I have cancer」○  5)述語が主語の状態であれば、英語では「その状態にいます・あります」と言います。このように「日本経済は不景気だ」→「日本経済は不況にあります」→「The Japanese economy is in a depression」○ 「来年は退職だ」→「私は退職にあります」→「I will be in retirement」○ 6)述語が主語が属する集団・母体であれば、上の状態と同様に「主語が集団・母体にいた・あった」と言えます。「(私が)高校だったころ」「(私が)高校にいたころ」「When I was in/at high school」○ 他にも修正方法もありましょうが、上の方法を使ってこの間違った表現のクイズを直してみてください。

Posted by timtak at 2003年05月29日 19:25
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